―エチオピア緊急援助で学んだことー

今回はエチオピアからお便りします。エチオピアでは3年来の旱魃のためにエチオピア東南部を中心に家畜が大量に死に、また多くの慢性的栄養不良の人々が出てきています。国連のFAO(食糧農業機関)は、エチオピアだけで800万人の人々が食糧不足のために危機に直面していると今年の5月に発表しました。日本国際飢餓対策機構は長年にわたってエチオピアにスタッフを送り、支援を続けてきましたが、今回は特別に緊急援助の働きのために数名のスタッフを派遣し、緊急援助のボランティアを募り、エチオピアの東部と北部を中心に救援活動を続けています。

(食糧配給)

私が7月から入ったのは北部の南ゴンダール県という地域です。そこでは250,000人の人々に対しての食糧配給が行われています。私も配給の仕事に加わりました。毎日、1,000から1200名の人々が食糧を求めて配給所にやってきます。この人々には、郡の役所から予めこの日に取りに来なさいと知らせが入り、近いところで約1日、遠いところでは3日もかけてここにやってきます。まず登録人名簿に従って名前が呼ばれ、本人であることを村のリーダーに確認を取っていきます。そして、倉庫から小麦の運び出し作業が始まります。1袋50Kgもある小麦を700袋ちかく村人に頼んで運び出してもらいます。村人で靴をはいている人は一人もいません。みんな素足です。岩がごつごつした所を重い荷物を運んでいきます。しかし、彼らにとってこれはいのちの糧、本当に慎重に運んでいくのです。

(こぼれた小麦)

この小麦はカナダから運ばれてきた小麦です。船積みされてジブチという国まで運ばれ、そこから全く舗装がされていない850Km以上の道のりをトラックによって運ばれてきていますから、ジュート製の小麦袋がほころんでいる物も多くあります。当然、倉庫からの運び出しの時に小麦がこぼれてしまいます。しかし、こぼれた麦をみんなでかき集めて、それを元の袋に戻していくのです。普通だったら、自分も飢え、家族も苦しんでいるときに、それをポケットに押し込めて持って帰ろうとする人もでてくると思うのですが、彼らはそうせず丁寧に戻していくのです。

クオリティ・オブ・ライフ…いのちの質という言葉が最近良く使われています。医療現場で死を間近に迎えている患者さんに対する言葉だそうです。しかし、私達が生きていくなかで、どのように歩むか、人間としての尊厳性をもって歩んでいるか、私達のいのちの質が問われるのは、本来このような困難な状況のなかで表れてくるものではないでしょうか。私自身が食糧に困り、空腹で数日の道のりをやってきたこの所で、彼らと同じ行動がとれるかと自問してみれば、それはやはり多分できないのではないかと思ってしまいました。

エチオピアの人々を覚えて支援をしてくださる方は日本国際飢餓対策機構までご連絡ください。

日本国際飢餓対策機構 〒581-0802八尾市北本町2-4-10 tel:0729-95-0123

 

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