同和問題再見聞

「高い通婚率は差別解消の証か?」

 ネパール王室の機関銃乱射事件が連日報じられている。王子が結婚に反対されたためであり、結婚差別が潜んでいるとも報じられている。真相がこの通りだとしたら、差別が生んだ悲劇としか言いようない。部落差別でも、一体どれほどの人生が潰されてきたことか。

 昨年、大阪府は同和地区実態調査を行った。それによると、地区住民の婚姻形態は、夫婦とも同和地区の生まれが21.1%、一方は地区外の生まれが45.6%、夫婦とも地区外の生まれが26.0%、無回答が7.3%となっている。取り分け30歳未満では69.3%が地区内外との婚姻で、地区内外の婚姻(通婚)は確実に増えてきている。そこで、地区内外の婚姻に焦点を当ててみた。

 地区出身者の方は、20.6%が相手の家族や親族から差別的態度を取られたと言う。一方、地区外者の方は、27.9%が家族や親族から差別的反応があったという。地区外者の方が7.3ポイント高いのは、家族や身内に差別する人がいたが相手を気づかい言わなかったケースと言える。実際には地区外者の方が多く結婚差別に直面している。

 次に、年齢毎に結婚差別の体験率を見てみる。地区出身者の場合、60歳以上が17.5%に対し、40歳未満は24.7%である。地区外者の場合も60歳以上が20.4%で、40歳未満は33.6%である。どちらも近年ほど差別体験が多い。近畿大学の奥田助教授は、地区出身者の告知が相関していると言う。部落出身を告知しなかった人の差別体験は13.3%に対し、告知した人の28.5%が差別体験をしている。年齢毎に見ると、60歳以上で告知した人は29.9%に対し、40歳未満は69.7%が告知している。部落出身だと言わない方が、差別されない可能性は高い。しかし、あえて若い世代は告知する方を選択している。その理由は、自分のすべてを知ってもらいたい(37.6%)、後で問題になるより先に言っておきたかった(24.0%)が大きく占めている。 

 さて、以上はあくまでも婚姻に至った場合の話。地区住民の5.5%が部落差別による破談も経験している。地区住民の内、同和地区で生まれたと答えた人は55.6%だったので、地区出身者の約1割が部落差別での破談経験を持っていることになる。

市同促:笠原秀己

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