共有する時間は… PART 1
環境カウンセラー・介護福祉士 中辻えり子
<八尾のまち・やおの環境>を読んでいただいて有難うございました。自転車で八尾のまちを走りながら、感じたこと、気づいたことが色々ありました。今回からは、自転車で行った先で感じたことを読んでいただこうと思います。3年ほど前からホームヘルパーとして働いている、わずかな体験ですが…。
何気なく通り過ぎていた道に面して、私達の訪問時間に合わせて玄関のカギを開けておいて下さるお宅があります。カギを預かり、私達の方で玄関を開けて訪問するお宅もあります。古い町並、細い路地、高層のマンションなど、様々な生活環境の中でホームヘルプサービスを利用する方が大勢います。週に1回買物や掃除に利用の方、週2回入浴介助と家事を希望の方、毎日3回の派遣で、利用者のオムツ交換や食事介助、水分補給とベッドまわりを整えることを希望する介護者や家族の方……家事援助や介護、家事と介護の複合型など、その方の身体状況や生活環境に合わせたケアプランに沿って、自立を支援する業務内容は各々に違います。
派遣業務として家庭を訪問し、高齢者や障害者の方への家事援助や介護をしながら、生活をされている時間のわずかな部分を共有させて頂く私達ホームヘルパーには、お客様でもなく、親戚や知人でもないのに、その方のありのままの日常生活や、重ねてこられた生き方などに深く関わる機会が多くあります。
利用者を担当しての業務体型をとっていない事業所で勤務しているので、月に数回訪問する方、月に1回か数カ月に1回訪問する方、そして1日に2回続けて訪問する方もいます。ヘルパーの連携で、数十人の利用者とその介護者や家庭の方達と接することになります。
対象は高齢者が多いため、加齢による体力の衰えは少しずつ進行しているのでしょうが、状況確認してしばらくぶりに訪問すると、思いのほか体の動きが軽くなり、お元気に過ごされている方がいます。2年・3年と訪問しているうちに、御本人の努力と介護者や家族の協力が感じられるのです。入浴介助で訪問する90歳に近い男性は、歩行を見守りながら浴槽への足の踏み入れに介助が必要だったのが、ゆっくり自力で浴槽につかれるようになっていました。最近その方にひ孫さんが生まれました。赤ちゃんを眺める表情は穏やかで和らぎ、年配者の見守るまなざしです。入浴前後のわずかな時間、介護では接することの出来ない利用者の一面を見ることができます。
反対に、状態が安定していて今日訪問予定と思っていた方が、体調や病状の急な変化で入院されることになり、退院後には著しく体力も気力も弱ってしまった方もいます。6カ月ごとに更新する介護度が「要介護2」から「3」へ、「3」から「4」へと高く評価され、自立の程度が低くなり、介護の度合いが重くなっている方もいます。
昨年4月から始まった介護保険により、社会的介護の必要性と、保険料を払い支え合うという考え方が少しずつ広がっています。車椅子で通行される方を見かけることも多くなりました。様々な状況の中で、誰もが当たり前の生活を送れる環境が整っていって欲しいと願っています。
8月25・26日に開催された《八尾河内音頭まつり》の大パレードで、ゴール到着後に声をかけた「車椅子で河内音頭を踊ろう会」のメンバーの中に、利用者の方のさわやかな笑顔があり、先頭のリーダーの誇らしげな表情が印象的でした。
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